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  情報マネジメント概論
2003年1月24日(金)

堀田
ぼくは皆さんとこうやって一緒に講義をするのはあまりチャンスがない。僕は情報学部では応用系の研究に位置しています。したがって,3年生になったらたくさん科目がある。1年生のときに,僕の講義を受けたとしたら,ほんの一部の人が情報活用基礎演習を受けてる。ほんの一部の人が文系のための情報科学を受けたはず。そういう意味では,僕に限らず,大学の先生の講義を聴いて,その人の専門だと思ってると1,2年の間は違うと思う。皆さん研究室選んだと思うけど,そういう観点でいろんな先生をみたらいいと思う。僕は今日自分の専門を話す中で,情報マネジメントが僕らの分野でどう関わってくるか。途中いくつかビデオをみせます。必要なことがあればメモをとってほしい。

堀田
僕はもともと教育学部を出て小学校の教員をしていました。経営工学。市川先生や徳山先生の分野の助手。情報工学の大学院に行って,教育学部の助教授をやって,今は情報学部。ふつうの大学の先生からみればかなりむちゃくちゃ。僕らでいう「現場」は学校現場ですが,そこを知り,周辺のいろんな領域を経ている。もうひとつは,文系・理系でいえばどっちか分からない。実践か理論といえば,実践的だけど,研究して飯を食ってるので理論もやってます。

今は学校現場における情報教育。今は学校現場に限らないです。僕の研究室の卒業研究は,たとえば僕の研究室のHPをcookieでユーザーを特定して,それに大してサービスのレベルを変える。あるいはサーバー上のDBを検索して,必要な情報を取り出す仕掛けをやろうとしているひともいれば,小学校に行ってそこで子どもたちとコンピュータがどう使われているか観察して研究している人もいる。今この時間に,浜松の附属小学校に4,5人の学生が昼休みに6年生にコンピュータを教えに行っている。教育と情報というキーワードでいろいろやってます。僕自身も国の政策の話もしているし,NHKの番組の企画とか,たまに出演とかします。学校現場との共同研究もしてるし,最近多いのは企業との共同研究。

来年になると情報学特別講義でSEとは何か,みたいなのをやる。僕はSEの人とソリューションの開発をしているのでそういった研究もある。

今日は,堀田研究室でやっていることをみんなにわかってもらって,それは何を問題意識としてやっていて,どういうソリューションを企業と連携しながらやっているかをみてもらう。そこに情報マネジメントがどうやって位置づいているかを考えてもらう。

まずはイメージを理解してもらうために映像をみてもらいます。皆さんは20歳くらいですよね。みなさんが小学校の時。コンピュータは小学校に入り始めたくらいでした。地域によっては小学校の頃からつかっていたというのもあるし,地域によってはそうではないところもある。今,日本中の小学校にコンピュータが入って,インターネットにつながっています。子どもたちはそれで調べ学習をしていたりします。だけど,それだけじゃだめで,いろんな活動の中にITものが位置付いている。

今から見てもらうのはNHKの番組。自分が出演しているのでちょっと恥ずかしいですが。

#ビデオ視聴

照れくさいのでこれくらいにしますが,今みたいなのが最先端といってましたが,2005年には日本中の小中高・特殊学級すべての教室にBBが入り,プロジェクタが入り,コンテンツが整備される。先進国の中では日本は後ろのほう。じゃあ,予算をとって何をするのか。今までこの授業でもITを入れて,それで何をするかを話題にしてきたと思います。僕らは社会学科で,科学科のような人たちがつくったものの社会的側面を語る。この辺が僕の研究室の問題意識のひとつ。インターネットがどんどん普及して,速くなって,品質もよくなって,安くなって,有線から無線になったりする。それによってSOHOとか新しいビジネススタイルが出てくる。ちょっと前までISDNだったのが,ADSLになって,FTTHになる。そういう産業が出てくるのと教育というのは当然関係してくる。今までやられていなかったことが,やられるようになる。教育にとってのぞましいならやればいい。だけど,技術がともなってなくてやらなかったことがある。今2号館の8Fにライブカメラがあります。それが全国にあって,いろんなところに定点カメラを置いて,北陸では雪がふっていて,ここは晴れているというのがみられる。今まで見られなかったところに映像,音声,データをライブで見ることができる。これは教育にとってはのぞましいことです。技術が発達することによって教育向けのソリューションが出てきます。

皆さんは英語をたくさんやってますよね。これはとても大事だし望ましいことです。情報化すると英語のシェアが広がっている。インターネット上の情報の9割は英語です。新聞,ラジオ,テレビにくらべて英語のコンテンツが多い。英語が分からない人は9割を捨てているということです。情報量が国の勢いを規定するとすると,9割を捨てているというのはやばい。日本語で作ったコンテンツを,流通し,活用するのはむずかしい。日本において情報化が進まなきゃいけない理由のひとつは,このような言葉の壁というのがあります。一方で,本質的な問題として,日本向けのコンテンツは誰が作るのか。情報化と英語はとても関係があります。

こういう状況の中でe-Japan計画というのがある。国の政策で,こういうことがずいぶん前に言われました。いくつかの柱が横断的な課題に入っている。5つ以外にも大事なことがあるんだけど,重点化して予算を配分している。この中に教育・学習の振興と人材育成,というのがある。それでコンピュータが学校に入ってくる。それは技術者を作るのではなくて,ユーザー,消費者をちゃんと育てるためにIT化が促進され,彼らがそれを道具としていろんな国々の人とコラボレーションできるようになるのが重要。電子商取引の話は聞いたと思うし,公共分野の情報化の話も聞いたことがあると思う。情報マネジメントはこれの縦とか横のことを学んだと思う。したがって僕の研究室でやっていることは,対象は教育であっても,やってることはソリューションの開発だったりする。マネジメントや経営の話が研究室の中ではたくさん出てきている。

TOEFLはみんな知ってると思う。日本の位置は17位。日本はなぜこの辺か。社会的に経済的に分析してほしい。僕らは英語教育をやってる。中学でも高校でも大学でも習っている。社会に出て使うんだけど,17位。北朝鮮のほうが上なんです。大変なことです。何も日本が教育してないなら別だけど,これは日本の教育の仕方がずれていたのかもしれないということです。これはほかの数学や理科でも同じようなものが分析されています。話したり,コミュニケーションすることをしたほうがいいんじゃないの,という反省があります。教育というのは現在の課題をみすえて,新たな課題のために動いていく。ヒアリングやスピーチをするから,読んだり,書いたりするという行為が大切じゃないかといえば違います。バランスの問題です。経済でも環境でも同じです。だから今の状態をずらしていくという感じになります。そういう時の評価はevaluationじゃなくてassessmentといいます。教育も今まで大事にされていたものを大事にしつつ,ITを導入することによってますます教育をよいものにしていく。もっというとITがどう変われば教育はよりよいものになるのか。

これは痛ましい事件で皆さんもよく覚えている事件。9月11日のNYの事件はすごく重要でいろんなことがあった。僕らもみんな知ってる。何の事件か分からない人居る?だけどこれ現地で見ていた人居る?「あー,ぶつかった」みたいな。みんなメディア経由で情報を得て居るんです。この情報も,この出来事も重要だと思う…んだけど,僕らが事実だと思い,重要だと思い,いろんな意志決定のための情報はメディア経由でやってくる。実体験がよくて,メディアがだめだ,というのは意味がない。僕らは実際の意志決定や,表すためにメディアを使っている。体験なのか,メディアなのか,というのはメディア論的にも意味がなくて,どっちでもある。どう組み合わせるかが大事で,昔はあんまり使われてなくて,今は使われている。それは技術が追いついていなかっただけなんですよね。そうなったら新しいメディアとかを使いこなすような能力が教育として必要になったりする。

それについて,SBSでニュースで取り上げた例があります。短いのすぐ終わります。5分ぐらい

堀田
今の最初の実践は森野先生が関わってる。このニュースの次の日井川先生が来た。メディアを研究しているから興味がある。僕らのやってることは,教育によっていくと教育そのものは僕しかやっていなくても,メディア論的な人と関わることもあるし,それが社会や教育をどう変えているのとなれば徳山先生や市川先生のところになる。そういう人たちと研究しているのがうちの大学。1,2年生のときはそれが分からない。研究室に入っていろいろやっていくと分かってくる。僕が担当していない卒論でも,卒論と深く関わっている研究もある。僕の研究室に来た人の中には,教育に特に興味がないという人もいます。いろんなタイプの人がいるということです。

今の僕の研究分野を図解するとこんな感じになります。左側が情報技術が進んでくるIT.右側が教育。上の矢印は技術が発達したからできるようになったこと。子ども向けのソフトウェア,子ども向けのワープロソフトとか。一太郎というワープロの子供版の一太郎スマイル。あるいは先生向けの,Webでいろんなことを調べるための教師用ポータル。逆もある。技術が発達する社会だから,新しい能力として必要な事柄が出てくる。今のメディア・リテラシーはこれ。時代が変わり,社会が変わっていくから,メディアを読み解く能力が必要になる。僕の研究室の研究は上も下もある。卒論レベルで切ると,上だけだったり,下だけだったりする。たとえば,みんなが受けた文系のための情報科学は,うちの院生と卒論生が作った。それは上か下かといえば,上。新しい技術が出来てきて,教育を改善しようとしている。上をやっている人は,下のこともわかって議論ができる。両方分かっているから出来ることがある。ITだけ知っててもコンピュータおたくなんです。疑問,課題,を自分で見つけ出していく。自分で問題をみつけて突進していく人をイメージしてゼミで育てているので,上も下も要求しています。このことを情報学的にいうとこんな位置づけになるということです。

人が使うので,人がうまく学習するようなインタフェース。さらには情報のやりとりであるコミュニケーション。コミュニケーションや学習を促進するには,学習支援のエージェントが必要。個別のカリキュラム。経営の世界でいうとCRMです。だから,いろんな分野と関係しているし,この桁で赤字で書くとうちの研究室におさまらない話もある。だから情報マネジメント系があるし,情報学部。

いくつか,具体的にやっていることを理論的な説明でなくて,具体的な説明。ひとつはこれが最近関わっているソフトです。これなんだか分かる?学級日誌。コンピュータ上で書ける。学級日誌がこうやってコンピュータで行われるメリットがある。メリットは左上にカレンダーがある。そうするといつでもその日の日誌が見られる。それは紙の日誌でも出来るね。イラストや写真が入れられる。天気も入るし,朝からありが歩いていたというような話がある。ポイントは上のほうで「宝箱」がある。学級日誌を上にあげるアイコン,もってくるアイコンがある。これをクリックすることで,学級日誌がWebに載るんです。それをほかの学校と比べられる。それを全国あわせたら,全国気温マップみたいなのができる。これを一次データとすると,二次データで学習ができる。そしてコミュニケーションする学習になる。そうすると教室にコンピュータが入ってきて,インターネットにつながるときの学習に役立つソフトウェア。

今みたいな,子ども向けソフトの開発には原理があります。ここが理論的になるから研究になる。たとえば,漢字であるものをひらがなにする,といってひらがなにすればいいというものではない。「わたしたちのこくどについてかんがえましょう」と書く。子どもたちには「こくど」が分からない。漢字をひらがなにすればいいというのは安直な発想です。すなわちITの技術があって,これをもうかるところがあって「じゃ,教育でもやるか」といってもできない。その分野のことを知らないと,結局はいい教育用のソフトウェアは作れない。

イラストの決め方。ぱっと見て分かる。メタファー。それを見ると「ああ,それはこういう機能なんだろうな」と分かるアイコンの設計。あるいは真ん中にバインダーと分かるようになってるとかね(Web学級日誌)。それはちっちゃいことなんだけど,それを感じさせるようになってる。そういう意味でイラストひとつでも隙間うめではないということです。図にすると分かるというのも,問題をモデル化してるんですね。そういう意味で教育におけるソリューションもいろんなことをモデル化して作っている。

ナビゲーション。ある程度強いナビゲーションがあったほうがいい。一緒に歩いてくれる人…人じゃなくてもいいんだけど…がいればいい。これは銀行のATMの設計にも原理があると思うんです。話は変わって,主婦向けのソフトでも原理はあると思う。ソフトの上の原理を見抜いている企業がどんどんいいソリューションを出せる。

これは,教員向けのサイト。先生が授業で使うためのサイト。インターネット博覧会が世紀が変わるときにあった。僕はそのときに富士通と組んで教育用のサイトをプロデュースした。このサイトでいろんなものをコンテンツとして提供した。では,どういうコンテンツに人気があったのか。それをまとめれば,次に同じようなことをするときに,役立つ。ビジネスは泥臭くて,何かが成功したり,失敗したら,その原因をモデル化して次に反映する。

たとえば,これはひとつです。毎月のアクセスログを見ている。9月でいうと27万ビュー。一日9000人くらいの人が見ていると思えばいいでしょう。そのくらいのサイトでしたが,サイト全体のどこの視聴率が高いのか。「コンテスト」という子ども向けのコンテストが多い。このときのコンテストは「未来のパソコンの絵を描いてみよう」とかいう簡単なもの。その次は「授業で使うイラスト集」をたくさん載せてた。教師向けのもの。スーパーでいうと特売品。それを無料で置いて客集めをした。よく見ると,一番下のトップページはどんどん減ってる。最初はトップページからたどっていったんだけど,見る人はブックマークだけして,それぞれのコンテンツを見るようになった。ターゲットセグメンテーション。今の教育の話に聞こえる?土俵は教育なんだけど,開発しているのは経営っぽいものが多いと思います。

小学校現場での話。学校のホームページをつくっている。ホームページを作る学習は,多くの場合,ホームページビルダーを覚えて,FTPしてとかいうことになりがち。ホームページを作るところからできる学習はたくさんある。一番上は,ホームページ作成ソフトの使い方。次がホームページのリンクとかURLとか。次は,個人のページの登場と情報の信憑性が変わっていること。インターネットの登場で,情報社会と情報構造が変わってきているということ。ホームページを作るという学習の中でおしえられることはいっぱいある。下の方が,本質的になる。上の方は変わっていく。どこを教育内容で取り上げるか。義務教育でWordのこと取り上げても,時代が変わればWordはなくなるかもしれない。本質的なことは何で,今通りがかり上おしえていることは何か。機器の操作や,情報社会の仕組みや,情報とのつきあい方,などおしえることがいっぱいある。子ども向けのバイオリンとか,子ども向けのスキーとかあるでしょ。だけど大人になると使わない。ソフトウェアも同じ。だけど,途中で通り抜けているのは大事。うちの研究室は上から下までいろんな研究をしていることになります。

今からちょっと紹介しようと思うのは,今年動いている研究を2つ見てもらいます。これは,スズキ教育ソフトというソフト会社。津守町といって砂丘のほうにある。あと都田小学校という山の中の小学校。割と都会ではない地区。そこと一緒にやってる研究。

これ,都田ダッシュ村という,某放送局の,某番組のパクリです。日本テレビには了承をもらってます。というか,まあ黙認してもらってる。これは何をしているかというと,左側の写真はライブカメラの映像。子どもたちはこの田圃や畑で農作物を作ってる。この地区の多くの子どもは農家なんだけど,多くは農業体験をしたことがないので農業体験の仕組みや大変さが分かっていない。こういった体験をすることで,自分たちが手伝えること,いいお米の作り方なんかを体験してもらう学習。今はレタスを作ってる。それで,ライブカメラ。カメラは2つあって,1つはダッシュ村の遠景を写しているカメラ。こっちは近景といって,ここに犬小屋があって,その中にライブカメラがあってレタスを写している。下には水温とか気温とかpHがある。一日の気温の変化が見られます。これは湿度の変化もみられる。さらに,過去の様子というのがみられて,昨日の様子を表示すると,昨日のライブカメラの画像が時刻ごとにみられる。レタスの絵も見られる。子どもたちがやってきて作業してたりすると,その様子がカメラにうつったりする。これは何のためにやっているか。レタスはやや監視していますが。むしろ子どもたちが見る。自分たちが育ててる稲や,田んぼがどうい状態かを意識するためにある。実はこの都田小学校から,都田ダッシュ村まで歩いて10分くらいのところにある。なので,行けるときに次に何をするかを考えるためにある。今のことは堀田研究室とスズキ教育ソフトの共同研究。情報ツールによる体験促進。稲作りや,野菜づくりを一生懸命やるためにライブカメラを使う。ライブカメラって遠くのものを写すために使ってたんだけど,近くをみるために使っている。

#犬小屋の解説

これもかっこよく作れば何百万もかけて出来る。1回目からはできないので実験的にやってる。もしこれが効果があればもっとスマートに出来るだろうけど。これは実際に作っている様子。それによって子どもたちは田植えなんかを活動しながら,センサーで何度とか数値を扱うので,自分たちも数値がとりたくなっていろんなものを測るようになります。それを表とかにまとめはじめて,観察記録をつけるようになる。それだけじゃなくて,子どもたちはものをよく見るようになる。これはライブカメラで学習するようになったわけじゃないかもしれないですよ。学習に対して真剣になったわけえ,いろんなものをよく見るようになった。

それをこういう発表活しながら,人に伝える学習もふくめてやっていくので,環境もやりつつ,算数もやり…となっていく。これも地域と民間企業と大学の産官学の研究。

もうひとつはPDA。携帯端末を使った学習指導の高度化に関する研究。これは経済産業省からお金をもらった2000万円くらいのプロジェクト。うちの研究室が中心になって,研究している。子供用のPDAを作るわけではないです。学習に活用するために,PDAを使ってみて提言してみる。たとえばこれは川での調べ活動。PDAで入力して,共有すると,ほかの班の観測データが共有できる。これはPDAの上で特別なソフトを開発して動かしています。

子どもたちはこうやって川で観察したことをPDAでメモをとっていたりする。それを測るためにはモバイル・センサーを使っている。それを元に持って帰って集計する。もって変えたときは,給食のカレーのpHをはかってみる。子どもたちはよくわかんないからとにかくpHをはかって,pHって何かを理解するようになってくる。

同じPDAのプロジェクトでやってるのが水族館。水族館では子どもたちはサメとか観察している。水族館ではものをみてほしい。PDAに「次のうち●●サメの歯はどれでしょうか」と問題が出たら,ホンモノのサメをよく見るようになる。実際の魚をよく見るように,PDAに仕掛けをしてみる。海でしっかり泳げるようになるように,先生がプールでてをひいてるみたいなもんですね。PDAが筆箱みたいなのに入っている。メモのためのペンとPDAが入っている。あれは100円ショップのをカッターで切って活用している。その活動のためには無線LANを置く必要があるので,うちの4年生が無線LANの電波をチェックしてる。水族館って壁が厚いので,アクセスポイントを置く場所を考えなければいけない。

この水族館は,今のプロジェクトのほかに,水中ダイバーショーみたいのあるでしょ。ダイバーがカメラをもって,「サメの耳とってください」とかやって,それをスクリーンに映すとかいうサービスをしていた。魚に関するコンテンツをうまく提示しようと思っていた水族館。教育に力を入れたかった水族館が,うちのような研究室と協力しているということです。

もうひとつ。PDAが入ってくると,それは今みたいに外に出て使うのがぴーんと来るんだけど,ふつうの教室で使おうという例。左側は,算数のテストで,授業の終わりにチェック・テストをする。これは子どもにとっても意味があるんだけど,実はこのデータが無線LANですべて吸い上げられて,学習指導に使える。右側はWindowsMediaで体育で跳び箱の飛び方が上手な子を撮影して,PDAで見られるようにしている。

うちの教育情報システムの研究をマネジメントの観点で見直す。ほかのところと割と近い,共通するものはどこか。教育における情報マネジメント。問題点はどこかをはっきりさせるところから始める。ニーズはどこにあるか。シーズはどこにあるか。それをどこに適用できるか。その次に,全部をシステム化しようとは思わない。そうではなくて,どこをシステムに持っていって人間が考えるようになるか。だから,必ずシステムを作ったら運用を考えます。全体のバランスを考えるときに,全部をオートにするのではなくて,置き換えられるところをITでやって,ほかは人がやる。情報マネジメント概論ってのは,本当に概論なんだけど,いろんなエキスを背負ってやっているということです。

うちの研究室は大変なところですが,現実を扱ってるから大変なだけで,意味がある。卒論を書くときに僕が手伝えることがあるかもしれません。そのときは一緒にやりましょう。

 


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