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0〜先生の死〜

ひびき先生は,とっても有名なピアニストです。 先生には子どもがいなかったので,2人の弟子といっしょに暮らしていました。 弟子の名前はこうたろう,たかし。2人とも20才です。

先生は,2人を本当の子どものように教えていました。 2人も先生を本当の親のように思っていました。

ここのところ先生は体の調子が悪そうです。 2人も心配していました。

ある時,先生がいいました。 「あたらしい曲ができたよ。さっそく聞いてくれるかい?」

流れてきたやさしい音。2人ともすぐに気に入りました。 2人を見て,先生もうれしそうです。 曲のタイトルは“ひびき”。先生のなまえです。

先生は2人にこういいました。 「おまえたちも,才能があるんだから,そろそろ自分の曲を作ってみなさい」 「わたしも,おうえんしているよ!」

そう言いのこし,先生は倒れてしまいました。 そのまま先生はなくなってしまいました。“ひびき”をのこして。

そして,2人の弟子は,自分の道を歩きだしました。 それぞれの夢をもって。

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