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1〜“ひびき”のゆくえ〜

先生がなくなってから2年後,たかしと別れたこうたろうは,小さな町にいました。 先生のようなすばらしい曲を作ろうと,がんばっています。 朝から夜まで,休むこともなく,いろいろと曲を書きました。

でも,こうたろうはまだ知られていないピアニスト。曲もうまく書けません。 書けたとしても,どうやって売ればいいか分かりません。 こまったこうたろうは,先生の友だちだった,きよしさんをたよりました。

曲を見せたところ,売れるようにしてあげよう,といわれました。 お金がほしかったこうたろうは,うれしくなって,楽譜をわたしました。

しばらくすると,こうたろうの曲は売れるようになりました。 そのおかげで,お金が手に入り,生活が楽になりました。

ある日,あたらしい曲を見てもらおうと,きよしさんの家にいきました。 そこで,なんと“ひびき”の楽譜を見つけたのです。 しかも,たかしが作ったことになっています。

きよしさんはいいました。 「あー,それかい?今,とっても売れている曲なんだよ。楽譜もCDもね」

こうたろうは,“ひびき”に再会したよろこびと,たかしへの怒りでいっぱいでした。 なんとしてもたかしを探さないと,そう思いました。

1のポイント
☆ 最初に“ひびき”を作ったのはひびき先生です。
☆ “ひびき”はたかしが作ったことになっています。
☆ 人の作品を勝手に自分のものにしていいのでしょうか?

問い
1.こうたろうはなぜ怒っているのでしょうか?
2.たかしが“ひびき”を自分のものにしたことは悪いことなの  でしょうか? なぜ悪いことなのでしょうか?

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