5〜先生の“ひびき”を守るため〜
ある日,こうたろうのうわさを聞きつけた,1人の紳士がやってきました。 いくらでも払うから,曲を売ってくれとの頼みに,こう答えました。
「私はなくなった先生に誓って,もう曲は売りません。お引き取りください」 「私の先生の曲なら,もう1人の弟子が売り出していますが・・・・・・」
紳士はいったん引き下がりました。ある法律をつくるために。 こうたろうの先生,つまりひびき先生が“ひびき”の曲の権利を持つという法律。
そう,この紳士は時の首相だったのです。
時をへて,法律は成立しました。曲の権利はもう先生のものです。
勝手に曲を変えること,演奏すること,売り出すことは許されません。 権利を持っている人に,お金を払わないとダメなことになりました。
もちろん,たかしもお金を払わないといけなくなりました。
しかも,先生の意志を継いだこうたろうに権利がゆずられたとの案も通りました。
こうたろうは紳士に感謝し,最高の1曲をプレゼントしました。
そして,“ひびき”の権利を得た喜びを伝えに,先生のお墓参りをしました。 「先生,“ひびき”を取り戻しました」と涙ながらに。
5のポイント
☆ 首相によって,作品の権利を守る法律が作られました。
☆ 権利者のひびきさんがなくなっているので,こうたろうが 権利を受け継ぐこともできました。
問い
1.なぜ紳士(首相)はこの法律を作らせたと思いますか。意 見を考えてください。
2.権利を持っている人に払うお金は,どのようにして決まる べきだと思いますか。意見を考えてください。
3.権利はどのくらいの間守られるべきだと思いますか。意 見を考えてください。