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金井先生実践

金井義明(熊本市立西原小学校・教諭)
子どもたちが明るく前向きに評価に関わることをめざして
コミセンレベルアッププロジェクト」におけるポートフォリオの活用

評価について考えて2年ほどになります。自分は評価に対していいイメージが悪くて,減点とか,通知票とか,評価に関わりたくないというのがありました。それがポートフォリオ評価に関わっています。すると,僕自身評価に対するイメージが変わってきました。そのイメージを子供たちに伝えたいのが僕の今の思いというか,目指したいところです。

活動重視。活動をしっかりしてみて,評価どうのこうのではなくて,活動あってやる評価かなと思います。自分の活動を振り返る意味もありますが,僕が総合の中で準備したものを振り返ってみます。

校区にコミュニティーセンター,市民センターの小さくなったみたいなのができました。できあがったんですが,活用状況が悪くて,それを伝えることを考えてみました。

私の学校は総合に対しては非常に遅れていて,まだ担任でどうぞ自由にやってくださいという感じ。あと,保護者懇談会などを通して,この3つを特に大事にしようと思いました。せっかくできたコミセンを使っていこう,と。活動内容を考え,学習のゴールをまず自分の中に「想定」しました。ゴールを今回はまず形があるものにしました。実際に大まかな流れを5段階を踏んでやっていこう,と。時間配分を考えました。どうしても学校行事をやっていくと総合はずるずる,ずるずる後回しになっていく。で,ちょっと今週は休もうか,というようになっていく。総合はカレンダーに書き付けてやって自分を追い込んでいくことにした。

「何のために活動するのか」を大事にしました。コミセンの活性化。僕が考えるのは,今売れないラーメン屋さんのお客さんを増やそうっていうテレビ番組ありますね?あれみたいなものです。若い店員さん入れるとか,店を綺麗にする,ということではないです。うまいラーメンを作ることです。同じようにコミセンも決して,ただお客さんが来るばかりではなく,コミセンの目的は何かな,と。やはりふれあいの場になることが大事。実際に活動の前に子供たちがどんな内容を提案するかなー,と。

で,さっき3つのつけたい力をいいましたが,実際の活動場面というと,もっとわかりやすくというか,その場面ではこういう力をつけたい,というものを考えてやりました。そこにしたがって,方法と計画をたててやり始めました。ポートフォリオをどのように活用したかというと,活動の中でファイルのようなものを作って,活用して,最後には活動全体の評価と日々の評価をしました。最後にはポートフォリオを活用して活動の評価。もうひとつ,僕が今回大事にしたのは節目ごとの評価です。毎時間評価をさせるのはなかなか時間がとれません。毎回の時間の評価はできるだけ短い時間で評価できるようにして,足りない分は節目ごとに2時間とか3時間を取って,活動がもっとよくなるように,自分たちの力を伸ばすように,3つの場面評価を考えました。「自分で考え実行する力」と「何事にもチャレンジする心」そして「仲間と協力して,新しいものを産む力」の3つです。

そして,つけたい力を子供たちに伝えました。だけど,次は子供たちに総合学習でつけたい力を子供たちは意識できるんじゃないかなー,と思います。今回は僕が君たちにこういう力を付けたいんだ,ということをイメージを持たせました。

ポートフォリオも初めてでしたから,子供たちにきちんと伝えたつもりです。これがどういう意味があるかは伝えたつもりです。ポートフォリオの中身は,今回の発表があるってのが冬休みになって分かったので作品はありません。このアクションシートに毎時間の評価をしました。

インタビューの話をさせてもらいます。活動の中でインタビューをすることがありました。子供たちが最後にできたかどうかの○×をつけさせるのが大事ではないと思います。

子供たちはどうするとインタビューがうまくできるようになるかをイメージして,目標をイメージして出来るようになろう,と。課程がすごく大事なんじゃないかな,と。結果的に○か×かもしれないけれど,活動の前に考えるのが充実した時間だと思いますが,どうでしょうか?

実はこれ電話のときもやったんですが,実は電話のかけ方やったら,ある女の子が電話をした相手から怒られました。なんで怒られたかというと,グループがいくつかあって,「さっきも同じ質問があったよ」と怒られたんですね。結局コミセンの方から市役所を通してこちらに連絡がありました。結局,僕と子供が想定した事以外のことが起きたんですね。事前にグループ同士で情報を共有することが必要だったと思います。相手が気持ちよく答えられる質問の仕方って何かな?ということで練習しました。

で,この前もお話したんですが,こんな風にしてさっき10個の項目を考えて総合の準備をしたつもりでした。「こうするとうまくいくぞ」って。しかし,なんとなく活動が重い。なんとなく子供たちがいまいち乗ってこないんですね。だけど,こっちは準備をしている,という変な自信があったんですね。子供たちが見えていなかった。ポートフォリオにしても僕は子供たちがさせる自己評価に,ポートフォリオになるように自信があったんですが,子供たちは「え〜また作文!」という感じでした。これがショックで,評価をさせているんだなぁ,と。

子供たちに評価を「させている」んですが,今子供たちが評価しているのは,インタビューの成功例や失敗例,いろんな体験をしている。それを残して欲しい。子供たちは残すことが非常にめんどくさい。こんなこと書くよりも遊びに行きたいというのが正直なところ。みんないい経験してるから,他のクラスの子はがんばっていないけど,来年また同じような活動するから教えてあげようよ,と。失敗しても伝えよう,と。ホームページにすれば,君たちが体験したのを伝えれば,日本中に伝えることができるよ,君たちにもプラスになるよ,ということで「残す」ことを少しずつ抵抗なくやっています。

今思っているのは指導と評価の一体化を考えているように,子供たちにも是非,活動と評価を振り返るのが大事だ,と。活動と評価をすることで活動自体がバージョンアップするんだよ,という思いを伝えたい。

そんな中でちょうど2学期末に成長エントリーというのをしました。子供たちの活動の中で成長を発見していく。

(…)

去年成長エントリーしてみて,どうしてもスキル面の成長が評価されるんですが,子供たち自身の成長として意識されてこない。

僕が大事にしたいのは僕がつけてほしい力以外に,それ以外にもついた力を見いだしてほしい。「成長って何か?」を見るときに,自分の評価以外に,友達や,先生の評価を入れて成長を見ることができるようになる。

外部評価を高めていく中で,少しずつ成長していく。これからは,成長がイメージできてきたので,この後は時間を取らなくても子供たちは日常的に成長を見つけるのではないかと思います。これをもっと立体的にみたときにですね,これはたくさんついているとか,これはなかなかついていないとか,わかってくる。そこをどうみるか?そこは僕も悩みのところです。そこを立体的に見るのか?見なくちゃいけないのか?僕自身の評価感は自己評価は非常に強い,教師評価は非常に弱い。でもそれだけじゃだめだな,と。教師の評価も必要だな,と思っているところです。

保護者にはこの成長報告を一枚のプリントにして渡しました。総合的な学習の時間のねらいとか,をまとめて二学期末返しています。子供たちはポートフォリオを見ながら,一緒に保護者に説明しているはずです。(ポートフォリオ紹介)どんなだったか書いてこないので正直分かりません。今回困ったのは僕が書くことがなかったことですね。子供たちと対話するときに全部いっちゃっているんですね。でも,それでいいのかな,と。小出しにするのではなく,まとめて言ってあげたほうがよかったのかな,と。僕も國香先生の最後のチェックリストを部分的に子供たちに帰しているはずなんです。付箋を貼って。それできっといいと思うんです。

今,もう一回評価を考えながら大事にしたいことは,つけたい力がありながら,それを活動によって成長させたい。今成長させる評価の仕方を考えてきましたが,それだけでは行き詰まってしまう僕がいる。活動をもっと充実させないと,評価で出た芽の数を数えようと思っても,いけない。出てくる芽も出てこない。それから,評価のところは「評価をやらせていませんか」と。

そして評価,総合学習を考えていきたいと思います。


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