3〜曲はおれのもの〜‘権利はどこに?’
たかしに対する怒りがおさまらないこうたろうは,もう一度たかしに会うことにしました。 今日もたかしは,町のホールでコンサート。出てくるのを待ちました。
コンサートを終えたたかしが出てきました。 こうたろうは,“ひびき”の楽譜やCDを売るのをやめるようにいいました。
しかし,たかしは,こんなことをいいました。 「おれは先生に楽譜を頂いたんだ。だからもうおれのものだ。まねして作った曲もおれのものだ。それをどうしようと勝手だろ」
そればかりか,こんなことまで。 「CDは全世界で売ることになっているんだ。もっともっとコピーしないとな。なんなら,おまえの曲もおれの名前で売ってやろうか?先生も喜ぶだろうに。はははは」
こうたろうは,怒りを通り越して,悲しみとあきれた気持ちが強くなりました。 争うこともいやになったこうたろうは,曲を作ることをやめてしまいました。
そして,ピアニストとしての夢をつぶすことにしたのです。
3のポイント
☆ たかしは先生から楽譜をもらっていたようです。
☆ たかしの意見はどうあつかうべきなのでしょう?
☆ 形のないものの争い。とても難しい問題です。
問い
1.自分の作品を友だちが勝手に売ります。でも,みんなの 名前はどこにも書いてありません。そんなことがあったら どう思いますか?それはなぜですか?
2.こうたろうはなぜ曲を作るのをやめてしまった気持ちを考 えてください。