第103回メディア教育論ゼミがオンラインで開催され,堀田先生とOB・OGの計8名が参加しました.新年度が動き出し,それぞれの立場での職務や研究が本格的に走り始めたこの時期,各自の近況とともに,学会発表の準備や研究計画,論文化に向けた相談などが幅広く報告されました.研究テーマや置かれた環境はさまざまでも,「自分の問いをどう前に進めるか」という共通の関心のもとで学び合う時間となりました.
冒頭では,堀田先生より,学会の研究会をどう上手に活用するか,そして国際学会での発表をどう位置づけるかについてお話がありました.国際学会での発表は研究者としての評価指標のひとつであり,学内の状況など各自の条件を踏まえながら計画的に機会をつくっていくこと,日本では自明として省略されがちな前提や教育の文脈こそ丁寧に説明し,プロポーザルの段階から完成度を高めて日本ならではのオリジナリティを打ち出すことが大切だというご指摘は,これからさらに挑戦を続けていくメンバーにとって大きな指針となりました.
続く各自の報告でも,研究の進め方をめぐる具体的な助言が交わされました.査読論文になりきらない成果は紀要としてまとめ組織のブランディングにも活かすこと,生成AIが振り返りの対話相手となる時代の中で,分析を通じて問いそのものが変わる探索的な進め方にこそ面白さがあること,書き手は近視眼的になりがちなので他の人に読んでもらうことが欠かせないことなど,研究の進め方についてご指導いただきました。また,世の中で大事だと言われることに取り組めば業績にはつながるが,その先で研究者としてのアイデンティティや,自分の研究をメタに説明できる枠組みを持つことが重要であるといった,研究者としてのあり方についてもご指導いただきました。いずれも報告者本人だけでなく,聴いている全員にとって学びの多いコメントでした.
今回のゼミでは「つながり」をめぐる話題が幾度も立ち上がりました.身近なところで相談できる関係や人との距離を大切にすること,小さなつながりがあちこちで芽を出し,さまざまな出会いの中で刺激を受けてもっと頑張りたいと思う,その繰り返しの中で研究は育っていく,という話に多くのメンバーが頷きました.
締めくくりには,堀田先生から,このゼミもいつまで続けられるかは分からないけれど,継続していくことが何より大切だというお話がありました.立場や環境が移り変わっても,こうして定期的に集い,互いの研究を持ち寄って学び合える場があることのありがたさを,あらためて噛みしめました.自分の問いに真摯に向き合いながら,このゆるやかであたたかなつながりの中で,これからも研究を前に進めていきたいと思います.
(報告:メディア教育論ゼミOB・大久保)