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山形県河北町夏合宿(第104回ゼミ):2026/08/01(土)-2026/08/02(日)

2026年8月1日(土)・2日(日)の2日間,山形県河北町の「べに花温泉 ひなの宿」で,恒例のメディア教育論ゼミ夏合宿を開催しました。堀田龍也先生をはじめ,メディア教育論ゼミのOB・OG,東京学芸大学の現役大学院生,アドバイザー,特別参加の皆さんが全国各地から集まりました。
メディア教育論ゼミは,堀田研究室の大学院生や修了生が中心とはいえ,そういった特定の大学や研究室だけで完結するものではなく,それぞれ異なる場所で研究や実践に取り組む人たちがつながる「仮想の組織」として機能してきました。今回も,研究者としてのキャリアや立場,研究テーマの異なる参加者30名以上が一堂に会し,研究について議論するとともに,自分自身の現在地やこれからについて考える2日間となりました。
1日目,オリエンテーションでは,堀田先生から夏合宿の目的が示されました。自分の研究を説明して理解してもらうこと,どう見えているのか,何が伝わらないのかを知ること,自分以外の意見を取り入れること,研究の内容・方法・新規性・社会的価値を考えること,研究のセオリーや先人の努力に学ぶこと,そして縦横のコミュニティを形成することなどが確認されました。
続く「最近のわたしの研究紹介」では,3部に分かれてポスター発表を行いました。研究目的や方法,対象の捉え方,新規性や社会的価値などについて,立場や専門の異なる参加者同士で議論しました。
自分の中では当然と思っていたことが相手には十分に伝わらなかったり,問い返されることで研究の曖昧な部分が見えてきたりします。また,他者の研究との共通点や違いを考えることで,自分の研究の位置づけを捉え直すことにもつながりました。研究成果を紹介するだけでなく,対話を通して研究そのものを練り直す時間となりました。
その後はグループで1日目の学びを振り返り,夕食・懇親会へと続きました。研究のことはもちろん,仕事やこれまでの歩み,これからのキャリアなどについても語り合いました。発表の時間だけでは分からない互いの「人となり」を知ることができることも,同じ場所で寝食を共にする合宿ならではです。
2日目は,登本洋子先生による「わたしの文部科学省併任」から始まりました。これまで積み重ねてきた研究や実践と,現在携わっている文部科学省での仕事とのつながりが紹介されました。特に,文部科学省の資料そのものを研究の根拠とするのではなく,その背景にある研究知見を捉えること,研究が政策に先立って知見を生み出していくことの重要性について考える機会となりました。
続く「わたしの教育工学人生」では,堀田雄大先生と稲木健太郎先生から,これまでの実践や研究,人との出会いと,現在の研究に至るまでの歩みが紹介されました。最初から研究の方向が明確だったわけではなく,さまざまな経験や出会いを重ねながら,自分の研究の軸が少しずつ形づくられていくことが語られました。
「私のゼミ運営」では,欠席となった佐藤和紀先生から動画による話題提供がありました。研究への参加の機会をどのようにつくり,先輩から後輩へと学びをつなぎ,修了後も続くコミュニティをどのように形成してきたのかが紹介されました。研究成果だけでなく,研究を通して長期的に人を育てることについて考えました。
最後の「まとめ」では,2日間の学びを各自で整理した後,グループで共有し,柴田隆史先生,田島祥先生,小島亜華里先生からコメントをいただきました。その後,堀田先生のお話で2日間のゼミを締めくくりました。
今回の合宿を通して繰り返し考えられたのは,「自分は何を研究したいのか」「自分らしい研究とは何か」,そして「研究者としてどのように歩んでいくのか」ということでした。
その中で印象的だった言葉の一つが「発火点」です。人との出会いや,かけられた言葉,先を歩く人の研究や生き方に触れることが,その後の学びや研究を大きく動かす契機になることがあります。これまでを振り返る中では,堀田先生との出会いや言葉が「発火点」となって研究の道を歩み始めたことも語られました。また,今回の合宿を通して,博士課程への進学や研究者として歩むことを,より具体的に考え始めた参加者もいました。
一方で,「発火点」があるだけで研究が進むわけではありません。出会いや言葉を受け止め,自ら学び,行動し続けることで,その後の歩みにつながっていきます。
先を歩く人から学び,自分の現在地を知り,やがて自分自身も何も選択されていません
誰かの学びを支える側になっていく。研究について率直に問い合いながら,仕事や人生についても語り合う。こうした世代や立場を越えた「縦横のコミュニティ」を,今年の夏合宿でも改めて実感することができました。
それぞれがこの2日間で得た問いや気付きを持ち帰り,また来年,1年間の歩みを持ち寄って語り合うことを楽しみにしています。

集合写真

真面目にガッツリと
ポスターセッション
ディスカッション
夜も大盛り上がり
特別ゲスト(?)

第103回ゼミ(オンライン開催):2026/06/07(日)09:00-10:55

第103回メディア教育論ゼミがオンラインで開催され,堀田先生とOB・OGの計8名が参加しました.新年度が動き出し,それぞれの立場での職務や研究が本格的に走り始めたこの時期,各自の近況とともに,学会発表の準備や研究計画,論文化に向けた相談などが幅広く報告されました.研究テーマや置かれた環境はさまざまでも,「自分の問いをどう前に進めるか」という共通の関心のもとで学び合う時間となりました.
冒頭では,堀田先生より,学会の研究会をどう上手に活用するか,そして国際学会での発表をどう位置づけるかについてお話がありました.国際学会での発表は研究者としての評価指標のひとつであり,学内の状況など各自の条件を踏まえながら計画的に機会をつくっていくこと,日本では自明として省略されがちな前提や教育の文脈こそ丁寧に説明し,プロポーザルの段階から完成度を高めて日本ならではのオリジナリティを打ち出すことが大切だというご指摘は,これからさらに挑戦を続けていくメンバーにとって大きな指針となりました.
続く各自の報告でも,研究の進め方をめぐる具体的な助言が交わされました.査読論文になりきらない成果は紀要としてまとめ組織のブランディングにも活かすこと,生成AIが振り返りの対話相手となる時代の中で,分析を通じて問いそのものが変わる探索的な進め方にこそ面白さがあること,書き手は近視眼的になりがちなので他の人に読んでもらうことが欠かせないことなど,研究の進め方についてご指導いただきました。また,世の中で大事だと言われることに取り組めば業績にはつながるが,その先で研究者としてのアイデンティティや,自分の研究をメタに説明できる枠組みを持つことが重要であるといった,研究者としてのあり方についてもご指導いただきました。いずれも報告者本人だけでなく,聴いている全員にとって学びの多いコメントでした.
今回のゼミでは「つながり」をめぐる話題が幾度も立ち上がりました.身近なところで相談できる関係や人との距離を大切にすること,小さなつながりがあちこちで芽を出し,さまざまな出会いの中で刺激を受けてもっと頑張りたいと思う,その繰り返しの中で研究は育っていく,という話に多くのメンバーが頷きました.
締めくくりには,堀田先生から,このゼミもいつまで続けられるかは分からないけれど,継続していくことが何より大切だというお話がありました.立場や環境が移り変わっても,こうして定期的に集い,互いの研究を持ち寄って学び合える場があることのありがたさを,あらためて噛みしめました.自分の問いに真摯に向き合いながら,このゆるやかであたたかなつながりの中で,これからも研究を前に進めていきたいと思います.
(報告:メディア教育論ゼミOB・大久保)

オンラインゼミの様子

第102回ゼミ(オンライン開催):2026/04/05(日)09:00-11:45

102回のメディア教育論ゼミが,堀田先生とOB・OGを含む10名で開催されました.今回のゼミでは,新年度を迎えて,新しい立場や環境での職務,研究についての報告が行われました.研究テーマや立場は異なっていても,「これからの教育をどう支えていくのか」という共通した問題意識のもとで学び合う時間となりました.
冒頭では,4月から東京学芸大学の副学長に就任された堀田先生より,教員養成大学の歴史や,これから教員養成大学が担う役割についてお話がありました.少子化に伴う定員割れや教員数削減により,全国で教育学部の再編や広域連携が進んでいること,さらに教員免許制度の見直しによって,大学の在り方そのものが変化していることについて共有されました.
また,ゼミ生からは,大学や学校現場での変化,新たな研究課題,学会発表準備などについて共有がありました.生成AI,VR,動画制作,情報活用能力,教科書研究など,研究テーマは多岐にわたっていましたが,それぞれの環境で研究を前に進める姿や,綿密に研究の見通しを立てながら取り組む姿から,多くを学ぶことができました.
さらに,置かれている立場や環境は異なっていても,多くの人と関わり合いながら研究や大学教育を推進する点には共通性がありました.その背景には,このメディア教育論ゼミで,他者と協働しながら学ぶことの大切さを学んできたことがあるのだと感じました.
今回のゼミでは,教育を取り巻く環境が大きく変化する中でも,それぞれが自分自身の問いを持ちながら,他者と関わり合いながら学び続けていることを実感しました.メディア教育論ゼミという場を通して,研究者として教育を支える生き様を学び,実践していきたいです.
(報告:メディア教育論ゼミ生・遠藤)

オンラインゼミの様子