今年度最初のメディア教育論ゼミが開催され,9名のOB・OGが参加しました.年度はじめということで,久しぶりに顔を合わせたメンバーも多く,各自が近況を報告しました.立場や業務,プライベートの様子は多様化していますが,それぞれの報告に対する堀田先生のコメントは,変わらず温かく,時には厳しくも励ましに満ちたものでした.悩みに対する価値付けや,今後の活躍を期待する言葉,頑張りへの共感など,一人ひとりが自分の立場から気づきを得て,それぞれのあゆみをふり返る時間となりました.
ここ最近のゼミでは,自身のブランディングに関する話題がよく挙がっています.専門分野や任されている業務,所属する組織の性格などによって,求められる役割や期待は異なります.その一方で,研究者・教育者としてのあり方には共通項も多く,そうした多様な要素をどのように組み合わせて自分の専門性を打ち出すかが,ブランディングにつながるのだと実感しました.
また,院生時代と異なり,年齢やライフステージの変化とともに,家族や自身にまつわる出来事にも直面するようになってきました.「やれるときにやるべきことをコツコツと積み重ねてきたことが,今の自分につながっている」という堀田先生のお話は,まさにそのとおりだと感じました.どのタイミングで何が起こるかわからないからこそ,自分のペースで継続していく姿勢の大切さを改めて認識する機会となりました.
ゼミ全体を通して,多忙な日常の中でも研究活動を継続しようとするお互いの姿勢に,大きな刺激を受けました.分野や関心はそれぞれ異なりますが,ゼミには「現場とつながりながら,自らの専門性を高めていく」という共通の思いがあります。多様な立場・視点からの語り合いを通じて,研究者・教育者として,どのようにキャリアを紡いでいくのかを見つめ直す機会となった第96回のゼミでした.
(報告:メディア教育論ゼミOG・八木澤)