山形県河北町夏合宿(第98回ゼミ):2025/08/02(土)-2025/08/03(日)

第98回ゼミは,毎年恒例となった夏合宿。今年も山形県河北町の「べに花温泉 ひなの宿」を貸し切って開催されました。かつては博士課程のゼミ生による博論検討が中心だったこの合宿も,今では研究コミュニティとしての絆を深め,広げる場として機能しています。さらに,堀田先生が東京学芸大学大学院で今年度から大学院生を担当されることになり,そのゼミ生も合宿に参加するという新たなステージを迎えました。
今年は主宰の堀田先生に加え,アドバイザーとして高橋純先生@東京学芸大,柴田隆史先生@東海大,田島祥先生@東海大,泰山裕先生@中京大,小島亜華里先生@奈良教育大,三井一希先生@山梨大,榊原範久先生@上越教育大,安藤明伸先生@広島工業大学,長濱澄先生@東北大をお迎えし,OB・OG12名,現役ゼミ生5名,特別参加として教育現場の実践者や院生の総勢29名が参加。ゼミの枠を超えた,多様な立場の研究者・実践者が集いました。
1日目は,堀田先生からの挨拶の後,参加者によるポスターセッションからスタートしました。それぞれが現在取り組んでいる研究を持ち寄り,互いに質問やコメントを交わしながら議論を深めました。「研究を図で構造化する」「理論と実践の接続」「教育工学の実践的意義」など多様な視点が飛び交い,参加者それぞれが自らの研究を見直す機会となりました。
1日目の最後には,堀田先生によるJSET会長ご退任記念特別講義が行われました。JSET前会長としての経験や研究者人生の軌跡,そして運命と出会い,準備がチャンスを呼ぶなど,研究と人生をつなぐ示唆に富んだお話をいただきました。講演後,JSET会長職への感謝と慰労の気持ちとして,参加者からウィスキーを贈りました。
懇親会では夜遅くまで語り合い,研究やキャリア,日常の話題まで尽きることなく笑い声が響きました。途中でダウンする方やそれを写真に収める場面も…。堀田先生への贈り物のウィスキーは,みんなで飲んじゃいました。
2日目は,まず草本明子先生の「わたしの博士論文」,そして,榊原範久先生と安藤明伸先生による「わたしの教育工学人生」。それぞれの研究や,背景,信念,実現したいミッションなどについて語られました。共通して感じられたのは,自らが課したテーマに誠実に取り組む姿勢と,その裏にある膨大な努力。ディスカッションや振り返りでは「そんなキャリアがあるとは知らなかった」「そんなことまでされているとは驚いた」「表面だけでは分からない努力を知り,勇気をもらった」などの声が聞かれ,研究発表や論文だけでは知り得ない,この合宿ならではの学びとなりました。
最後の高橋純先生による特別講義では,AIが本格化する時代の教育工学のあり方や大局的な視点の重要性を語っていただきました。高橋先生が関係された先生方の最終講義から,フジ子・ヘミング,サグラダ・ファミリアなど,多様な話題を結びつけながらの「小さくまとまるな」「歴史的にも意味もある仕事へ」といったメッセージは,全員にとって大きな刺激となりました。
研究に関するディスカッションという知的な営みと,温泉や懇親会の楽しいひととき。この両方があるからこそ,この合宿は唯一無二の学びの場として続いているのだと思います。メディア教育論ゼミの夏合宿は,立場を超えてつながる「研究と人生の交流の場」としてこれからも続けていきます。
(報告:メディア教育論ゼミOB・渡邉)

集合写真

ポスターセッション
JSET会長,お疲れさまでした!
キュウリやスイカなどの差し入れに感謝